大相撲夏場所初日(8日、両国国技館)三役復帰を果たした小結大栄翔(28)は、休場明けの横綱照ノ富士(30)を押し出して白星発進。3大関は昇進2場所目の御嶽海(29)が高安(32)を押し出したが、正代(30)は霧馬山(26)に寄り切られた。貴景勝(25)は琴ノ若(24)に押し出され、1横綱2大関が敗れる波乱のスタートとなった。3月の春場所で初優勝を飾った関脇若隆景(27)は北勝富士(29)を寄り切った。
かたちはどうあれ、意思は揺るがない。「前へ」。突き押しが得意の大栄翔が押し切れずに胸を合わせたが、呼吸を置かずに攻め続けて照ノ富士を押し出し。3月の春場所に続き、一人横綱を撃破した。
「(右差しは)よくない。でも、前へ出ることができてよかった。ああなったら、出るしかなかった」
立ち合いから突き放し、押し込んで横綱の上体を起こした。だが、引っ張り込まれるように右を深く差し込んで、胸を合わす体勢に。それでも、前へ出る足を止めずに攻め切った。