ベテラン記者コラム(291)

〝20分レッドカード〟ルールは勝敗の興趣を取り戻すか

サンスポ
2019年ラグビーW杯日本大会の日本―アイルランド。次回2023年W杯後にラグビーが変わる?
2019年ラグビーW杯日本大会の日本―アイルランド。次回2023年W杯後にラグビーが変わる?

サッカーでもラグビーでも、試合の流れを変えることもあるレッドカードによる一発退場。レッドカードを受けたチームはそれ以降、人数が足りない状態で試合を続けなければいけないが、ラグビーではそうならなくなるかもしれない。

国際統括団体のワールドラグビーが、〝20分レッドカード〟を世界的に試験導入していく方針を示している。〝20分レッドカード〟とは、選手が退場になった場合でも、退場から20分がたてば別の選手を交代で投入できるルールのこと。スーパーラグビーでは昨季から試験運用されており、これをもっと多くの大会に広げようという動きも出てきたのだ。

今年3月の欧州6カ国対抗では、イングランドのLOチャーリー・ユールズがアイルランドLOジェームズ・ライアンの頭部への危険なタックルをとがめられ、ビデオ判定のTMO(テレビジョンマッチオフィシャル)の末に、開始わずか82秒でレッドカード。残り79分を1人少ない状態で戦うことになったイングランドは、地元トゥイッケナムで15-32で敗れた。

ワールドラグビーでは頭部へのハイタックルを根絶するためのキャンペーンを展開中。そのためリアルタイムの肉眼で判定が難しい頭部付近への激突(特に相手を抱えようとして頭と頭がぶつかること)を、TMOを使って厳しく判定するケースが多くなった。かつてなら、不可抗力のアクシデントとみなされたプレーでもレッドカードを出される。それだけ、タックルに入る側の義務が厳しくなっている。

〝20分レッドカード〟は、そんな現状を踏まえてのものだ。どちらか一方のチームが、あまりに早く人数を減らすことになっては、勝敗の興趣をそいでしまう。古い話で恐縮だが、筆者も1990年6月、シドニーでのオーストラリア-フランスのテストマッチで、フランスNO・8ベナジが密集で相手選手を踏みつけ、開始数分で退場となったシーンを現地で見ていた経験がある。

当時は南半球の実力が北半球を上回っており、勝敗の興味は一気にうせてしまった。雨上がりの天候でオーストラリアの展開ラグビーもあまり機能せず、21-9で勝ったもののトライは両軍合わせてオーストラリアWTBイアン・ウィリアムズ(神戸製鋼で活躍したあの人)の1つのみだったことも、物足りなさに拍車をかけた。

ただ、このルールも世界的には来年のワールドカップが終わってからということになる。なかばアクシデント的な危険なプレーでの救済措置になる半面、真に悪質な反則にまで適用するのはどうかという声もある。ワールドラグビーでは、もっと幅広く試験運用をしてから結論を出したいとしている。(田中浩)

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