プロボクシングのフライ級8回戦(東京・後楽園ホール)の前日計量が8日、東京・文京区の日本ボクシングコミッション本部事務局で行われた。元WBO世界フライ級王者の木村翔(33)=花形=はリミットの50・8キロ、2018年インターハイ優勝の堀川龍(22)=三迫=はリミットより100グラム軽い50・7キロで、ともに1回でクリアした。
木村は2020年2月以来の試合だが、プロ6戦目の堀川戦に「やってきた相手が違うし、キャリアも違う」と自信を見せた。約20人に対戦を断られ、唯一人受けたのが堀川だった。昨年12月には中国・武漢で行ったスパーリングマッチで対戦したユーチューバーでキックボクサーの玄武(中国)に抱きかかえられ、頭からキャンバスにたたきつけられるなどの棄権な反則行為を受けた。「基本的には相手のルール無視。もうあんまり中国には行きたくない」と苦笑いした。
試合のなかった約2年3カ月は木村章司トレーナーと新コンビを組み、「前の自分とは違うスタイルになっていると思う。前に出て打ち合うだけだったけど、(パンチを)避けて打つ」とボクシングの幅が広がった。フィジカルトレーニングにも力を入れ「スパーリングでも倒せるようになった。打ち方が良くなっているし、パンチが変わったんじゃないか」と進化を確信している。
「目標はもっと高いところにあるので、しっかり倒して勝ちたい。どうしても井岡君とやりたいので」とWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33)=志成=との対戦を目標にしているという。まずは新鋭を相手に完勝し、世界戦線へ返り咲く。
プロ戦績は木村が24戦19勝(12KO)3敗2分け、堀川が5戦3勝(1KO)1敗1分け。