国土が焦土になっても抵抗する覚悟…ウクライナはひとごとではない
――本作では現在の「日米同盟基軸」ではない、ある形の政体を目指すとある。スイスのようなイメージでしょうか
「永世中立国・スイスのことも随分調べました。ヨーロッパの真ん中にあって常に侵略の危険性と隣り合わせ。だからもしも侵略されたら、国土が焦土になっても抵抗するという悲壮な覚悟があるのです。それに近い覚悟は必要かもしれません。(ロシアに侵略された)ウクライナのことはひとごとではないのです。ただ、僕の中で結論はでていません。まだ『試行錯誤中』と言っておきます」
――島田さんの作品にはタブーに挑んだ作品も多い。民間から皇室へ嫁いだ女性の恋を描いた『無限カノン』シリーズ(2000年~)とか
「書き始めたころは〝タブー感〟があったかもしれませんが、今はそうじゃない、と思いますよ。僕は天皇、皇后もどんどん政治的発言をすべきだと考えてますから。(主人公の女性は)皇室の中で結局、何もやらせてもらえず、ひどいバッシングも受けた。だからといって皇室を離れることもできない…そりゃあ病気にもなりますよ。だから小説の中で〝復讐(ふくしゅう)の代行〟をしたのです。別に頼まれた訳じゃないですけど(苦笑)」