大相撲の関脇阿炎(27)が「新生活」をスタートさせ、心機一転で夏場所(8日初日、両国国技館)へ臨む。2日、東京・江東区の錣山部屋での稽古後に電話取材に応じた。「守るべきものが近くにある。気持ちを前へ向けないといけない。すごくいい方向へ向いている」。一家の大黒柱として、新たな自覚をにじませた。
一昨年7月場所中、日本相撲協会の新型コロナウイルス対策のガイドライン(外出禁止)に違反。3場所出場停止などの懲戒処分を受け、幕下まで転落した。処分期間中から部屋での謹慎生活に入り、同年6月に結婚したばかりだった夫人と長女(1)と別居。再入幕後も自らを戒め、部屋で暮らしていた。
3月の春場所では千秋楽に8勝目を挙げ、勝ち越し。関脇の地位を守った。そして、このほど新居を手に入れ、約1年9カ月ぶりに家族との生活を再開させたという。「(同居して)まだ2、3日。本来のかたちに戻れてうれしい」。パパとして「お風呂を担当させてもらっている」と、娘の世話を焼く。
4日は28歳の誕生日。長女が生まれて初めて3人一緒で迎えるメモリアル。夏場所では「家族を安心させるためにも強い自分をみせられたら」。環境は、人をかえる。(奥村展也)