(セ・リーグ、広島5-9ヤクルト、4回戦、ヤクルト3勝1敗、28日、マツダ)主砲の一打から鮮やか逆転!! ヤクルトは28日、広島4回戦(マツダ)に9―5で勝って2連勝を飾り、4月11日以来の3位に浮上した。2点を追う八回1死満塁から4番・村上宗隆内野手(22)が同点の2点打を放つと、後続が続き一気に勝ち越し。9得点のビッグイニングをつくり、貯金を2に増やした。
勝負を左右する左打席に、村上が立った。2点を追う八回1死満塁。若き主砲は中前へ、同点の2点打を運び、一塁ベースを回ったところで大きく手をたたいた。
「コンパクトに、ランナーをかえすことだけを考えて打席に入りました。チャンスで打てて良かったです」
3連続の四球で塁を埋め、好機に4番が応えた。外角低めの直球を捉えて試合を振り出しに戻すと、打線は一気に活発に。再び1死満塁として長岡の押し出し四球で勝ち越し。後続も流れに乗り、今季初となる1イニング9得点の集中打を浴びせた。
4番としての矜持は、試合に出続けること。3年連続全試合での4番出場を目指す村上に、高津監督はかつて「少しどこかが痛い、かゆいで休むのでは4番は務まらない。どんなことがあっても4番として毎試合スタメンに名前を載せることが重要」と求めた。
村上も、それを自覚している。自主トレをともにする青木から学んだケアの重要性を意識し、休養日は空いている時間をほぼ治療に費やす。「体のケアは、いつでもできるわけではない。時間があるときは見てもらっています」と、時に朝早く眠い目をこすりながら肉体の維持に努める。
今月11日以来の3位に浮上し、貯金を同19日以来の2に増やした。4番の仕事を果たした村上を、高津監督は「ミートすること、点を取る打撃に徹してくれた。長打だけではなく、センター中心に捉えられる打撃は4番に求められる一部分だと思う」と評価。その存在は、際立っている。(赤尾裕希)