【ソウル=時吉達也】韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領への名誉毀損(きそん)罪に問われ、2015年に無罪が確定した産経新聞の加藤達也元ソウル支局長の判決に違法に介入したとして、職権乱用罪に問われた林成根(イム・ソングン)元判事について、韓国最高裁は28日、無罪とした2審判決を支持、検察側の上告を棄却した。林氏の無罪が確定した。
加藤元支局長は、約300人が犠牲となった旅客船セウォル号事故当日の朴氏の動静に関するコラムを執筆。林氏は朴前政権の意向を酌み、コラムの内容が虚偽だと判決に盛り込むよう担当の裁判長に指示したとして在宅起訴された。1、2審判決は林氏に判決へ介入する職権がなかったとして無罪を言い渡していた。
韓国国会は昨年2月、林氏の弾劾訴追案を可決。判事の弾劾案可決は韓国の憲政史上初めてだったが、韓国憲法裁は同10月、林氏がすでに退職しているとして弾劾訴追を却下した。