SankeiBiz読者のみなさんにだけ客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第128回はグルメとアウトドアが大好きな中東系航空会社乗務3年目の鷲尾岬がお送りいたします。
コロナ禍でフライト数が減り、海外ベースのCAはベースの国で休日を過ごす日が圧倒的に増えました。私が生活をしているアラブ首長国連邦(以後UAE)は、4月〜10月の体感気温が50℃に達することもあり、アウトドアどころか日中に外出することも厳しい日々が続きます。一方、冬と呼ばれる11月〜3月は平均気温が14℃〜27℃と比較的涼しく、日本の春のような気候が続き、とても過ごしやすいです。UAEの冬は1年で唯一屋外にて遊ぶことができる貴重な時期なのです。
コロナ禍の今シーズンはゆとりのあるスケジュールで思いっきり冬を満喫することができました。特に今回は主に中東ならではの砂漠キャンプとお洒落なアラビアンカフェでの朝食の様子をお伝えします。
砂漠で焼きおにぎり!? 多国籍BBQとアラビアンナイトキャンプ
市街地から車で1時間ほど走ると広大な砂漠が広がり、観光客向けの砂漠サファリなどのイベントを楽しむことができます。私たちのように現地で暮らす人々は自分たちでキャンプ道具を準備し、砂漠の中でBBQやキャンプを楽しむことが冬で一番人気のアクティビティです。
▼バーベキュー食材にもCAらしさ
砂漠に到着すると、テントを立ててバーベキューコンロを準備し着火! バーベキューの始まりです!
CA仲間の集まるバーベキューは、フライト先のスーパーで買ってきたワールドワイドでバラエティ豊かな材料で溢れます。ドイツのソーセージ、フランスのチーズ、アメリカの大きいマシュマロなど…。とても贅沢なバーベキューですよ。
そんな“多国籍”食材が並ぶバーベキューでも、やっぱりシメは日本の焼きおにぎりに限るっ!(笑)
バーベキューが終わると、星空満天の下、焚き火で焼いたマシュマロを頬張りながらおしゃべりタイムを楽しみ、テントの中で休みます。
▼砂漠キャンプは“後”がたいへん
ゆっくり休みすぎたせいでこの日は残念ながら朝日を見ることはできませんでしたが、起床後はコーヒーで目を覚まし、ラクダの歩く砂漠の中をドライブしながら帰宅です。
砂漠の砂はきめが細かくとても柔らかいので、車のタイヤがはまってしまうと脱出するのが大変! みんなで車を押したり、別の車で引っ張ったりと、今回は脱出に2時間もかかりました(汗) また、荷物や身体中が砂まみれになり、洗濯やシャワーなどキャンプ後は1日がかりで後片付けをします。楽しい素敵なキャンプの裏にはそんな小話もありますね。