埼玉県熊谷市は25日、腕時計のように装着して体温の急な上昇を検知する機器を希望する職員に配布し、熱中症を防ぐために活用すると発表した。6~8月に実施し、利用者アンケートなどを通じて機器の有効性を検証、熱中症予防に向けた市の施策に反映させる。
熊谷市は厳しい暑さで全国的に知られ、25日の最高気温は6月下旬並みの28・7度となった。平成30年7月に観測された41・1度は、浜松市の令和2年8月の記録と並び国内最高だ。
職員に配布する機器は、ベンチャー企業のヒトヴァンス(東京都)が販売している製品「カナリア」。体温上昇の度合いを測り、一定の水準に達すると赤色に点滅し、アラーム音で危険を知らせる。
同社によると、累計販売台数は40万台を突破しており、土木建築業などの1800社以上の企業が導入している。自治体と協力して今回のような取り組みを行うのは初めてという。
市政策調査課の担当者は「さまざまな熱中症対策を市民に紹介しているが、『こういう新しい方法もある』ということを伝えていきたい」と話している。(兼松康)