「戦争を知らない子供たち」の歌の通り、戦争を知らずに育った世代がもはやシニアだ。かくいう筆者もそうだ。筆者の親は関東軍の兵士でシベリア抑留組だった。親からは詳しい話を聞いたことがなかったので、ノンキに髪をのばしてジローズの歌を口ずさんだりして青春時代を過ごした。
いまウクライナで起きていることを見るにつけ、日本にとってひとごとではないと思う。そこで、前から一度訪ねたいと思っていた東京・新宿の「平和祈念展示資料館」に向かった。24日まで開催中の「こどもと大人におくる戦争のおはなし」を見るためだ。
都営交通乗り放題のシルバーパスを使い都営三田線春日で大江戸線に乗り換え、都庁前で降りると目の前に住友三角ビルがそびえている。エレベーターで33階に上がると、受付があり、すぐに企画展示コーナーがあった。
「コトバだけでは伝わらない。絵にするとわかってくれた。」というサブタイトル通り、シベリア抑留者や引き揚げ者の伝えたいおはなしが絵になった紙芝居やかるたなどが展示されている。「あしたのジョー」のちばてつやさんが満州からの引き揚げを描いた作品などを見て回る。
引き揚げ船の中で、幼児2人を置き去りにしたと泣き泣き語る母親、「ダモイ(帰国)」といわれてシベリアに行き(ソ連はだましの名人)…まさにいまウクライナで起きていることと同じではないか。