夏の参院選福岡選挙区(改選数3)で野党の動きが活発化している。候補が乱立し、3議席のうち最後の1議席を野党で争うとの見方が出ており、各党は支持拡大に懸命だ。特に野党第一党、立憲民主党の危機感は強く、幹部が福岡入りするなどして、てこ入れを図る。日本維新の会は候補擁立が大幅に遅れている。
「各党群雄割拠の中、絶対に議席を確保しなければいけない」。立民の泉健太代表は23日、福岡入りし、党福岡県連の集会でこう訴えた。
立民は現職の古賀之士氏が2期目を目指すが、取り巻く情勢は前回、6年前の選挙とは全く異なる。
古賀氏は前回、旧民進党公認で出馬した。元地元民放アナウンサーの知名度を生かし、候補者9人が乱立する中、自民、公明両党の候補を抑え、トップ当選を果たした。
しかし、旧民進は希望の党との合流などを経て現在は立民と国民民主党に分裂。国民民主は今回、福岡県議の大田京子氏を独自候補として擁立し、旧民進系で票の奪い合いが予想される。両党の支持団体、連合福岡も古賀、大田両氏を推薦し、連合を介した3者による連携を模索するが、傘下の産業別労働組合は分裂を避けられそうにない。
一方、自公の政権与党は曲折があったものの、改選1人区では公明が自民候補を、改選複数区では自民が公明候補をそれぞれ推薦する相互支援体制を整えた。福岡選挙区でも自民は公明候補を推薦する。
関係者の間では、3年前の令和元年選挙同様、自公が上位2議席を確保し、最後の3議席目を乱立する野党が争う構図になるとの見方が出ている。こうした観測に対し泉氏は「どこかの党と3議席目を争っているという意識はない。必ず3議席の一角に入るということに尽きる」と強調する。