味の具合がまだわからないから、一切れにちょびっと醤油をたらし、口に入れた。
・・・感動。陶然。思わず目を剥いた。うーん、これはすごい。駅弁のアジ寿司は過去に何度か食べたが、それらとは全然違う。生臭さなぞゼロ。アジの味が爽やかにして明確。
箱を千代紙で包んでいるのは伊達ではない。このくらいの梱包、せねば。この弁当には。
次に、生わさびをのせて、めしと一緒に頬張る。うおー、これまた絶品。飯もうまい。わさびもうまい。わさびは伊豆だもんな。醤油もナニゲにうまい。
もぐもぐやりながら弁当を見つめ「うーん」と唸った。
飲み込んで、自分を落ち着かせるように、酒をグビリ。この酒、カップではなくて瓶。150mlという、ワンカップよりちょいと少なめなのがよい。だが頭はすでに、アジ弁への次のひと箸に向いている。
今度は針生姜をのせていくか、と思ってひと切れ取ったら、下にピンクのものが。
桜の花の塩漬けだ。うわー、今日は修善寺の山桜の美しく咲くのを見たばかりだ。なんという演出。いただきましょうぞ。
本当に、角までぎっしり入っていて、おいしいアジをケチらずどんどん食べ進められるシアワセ。