いくつになっても豊かな人生 小林聡美、映画「ツユクサ」

産経ニュース
「今回、ワイヤーアクションにも挑戦しています。ふふふ」と笑う小林聡美(石井健撮影)
「今回、ワイヤーアクションにも挑戦しています。ふふふ」と笑う小林聡美(石井健撮影)

29日から全国の映画館で上映される「ツユクサ」(平山秀幸監督)は、ある種の恋愛ファンタジー映画だが、登場人物はいずれも中高年であることが特徴だ。主人公を演じる小林聡美(56)は、「50代になっても、この先に、まだ、豊かな人生が待っているんだと教えてくれる作品」と語る。

小林が演じる五十嵐芙美(ふみ)は、海辺の田舎町で一人で暮らす50歳の女性。撮影前に平山監督から「髪を、すごく短くして」と注文された。「芙美さんは周囲の視線を気にすることより、自分が快適でいることのほうを選んだ人なのかな」などと芙美像に想像をめぐらしながら撮影に入った。

芙美は、気の合う職場の仲間たちと穏やかで楽しい日々を淡々と過ごす。ただ、時折、悲しい表情を見せる。この町にやってきたのには事情があるからだ。

「平穏に暮らしているように見えて、実は芙美さんも職場の人たちも、それぞれのドラマを抱えています。私も50歳を超え、機嫌よくやっているように見えて、蓋を開ければ傷があったりしますからね」と小林は、芙美に寄り添う。

芙美は、草笛を吹く篠田吾郎(松重豊)と出会う。篠田が手にする葉が、ツユクサ。2人の思いが、ゆっくりと近づく。

「相手に気持ちを伝えようとする芙美さんに共感できます。私も、人生の残された時間に、後悔はなるべく残したくなくなっていますから」

小林は、14歳のときテレビドラマ「3年B組金八先生」(昭和54年)でデビュー。57年の初主演映画「転校生」(大林宣彦監督)で演じた、男女が入れ替わってしまう中学生役で一躍注目された。

「若い人たちのドラマや映画を見ると、ああ、私にもこういう時期があったわねと思ったりすることがあります」と笑う。

「なりたい自分になれないジレンマに直面した」という20代をへて、独自の立ち位置を探りあてた。個性派女優として活躍が続くが、「欲張らず、流されて、ここまできた」と振り返る。

「これは、50歳を過ぎても豊かな人生が続くと思わせてくれる映画。私もサラリーマンなら定年が見える年齢。最近は、毎回『これが最後』という気持ちで仕事に臨んでいます。そうやって取り組めることが、まだ、あるって、すばらしい」(石井健)

こばやし・さとみ 昭和40年生まれ、東京都出身。14歳のとき、ドラマ「3年B組金八先生」でデビューした。57年の映画「転校生」で、級友の男子と心と体が入れ替わる女生徒という難役をこなし、日本アカデミー賞新人俳優賞。「廃市」「かもめ食堂」「めがね」「プール」など主演映画多数。ドラマ「やっぱり猫が好き」は、人気でシリーズ化された。

29日から東京・テアトル新宿、大阪・テアトル梅田などで全国公開。平岩紙、江口のりこ、渋川清彦、泉谷しげる、ベンガルらが共演。1時間35分。

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