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週明けにも「現役ドラフト」導入決定へ、指名順位は入札数か 植村徹也

産経ニュース
新人選手獲得のための「プロ野球ドラフト会議」。今オフからは、現役選手のドラフトが新たにスタートする(2019年)
新人選手獲得のための「プロ野球ドラフト会議」。今オフからは、現役選手のドラフトが新たにスタートする(2019年)

ついに日本プロ野球界初の「現役ドラフト」(ブレークスルー・ドラフト)導入が週明け25日にも行われる12球団選手関係委員会などで正式決定し、ドラフト方法などの基本的ルール作りが始まる。開催時期は今オフの12月初旬。1936年(昭和11年)に産声をあげた日本プロ野球(当時は1リーグ春夏制)は誕生86年にして、現役のプロ野球選手同士が他球団のドラフト指名でチームを移籍するという新時代を迎える。

プロ野球関係者によると最後まで反対していた巨人が導入に合意したことでプランは一気に進展した。11月末で12球団は戦力外通告を終え、12月に入ると来季の保留者名簿が日本野球機構(NPB)から公示される(昨季は12月2日公示)。その直後、各球団は保留者名簿の中から、年俸1億円未満で育成契約選手を除くメンバーの中から各2~3選手を「現役ドラフト」に提出する。

すでに大リーグでは「ルール5ドラフト」として定着している。有望な選手が十分な活躍の場を与えられず、傘下のマイナーリーグで〝飼い殺し状態〟になってしまうことを防ぐため、他チーム所属の選手を指名し、獲得できる制度。毎年12月のウィンターミーティング最終日に行われ、MLB(大リーグ機構)の規約第5条に規定されていることから「ルール5ドラフト」と呼ばれている。

今オフに実現する「現役ドラフト」は大リーグのルール5…を参考にしながらも、日本流のシステムを採り入れる方向だ。まだ草案の段階だが、各球団が他球団から獲得できるのは1選手。流出も1選手が想定される。最初に12球団が提出した選手を他球団がどれだけ欲しがるのか…入札を行う。入札球団数の一番多かった球団から他球団選手の指名が始まる。そこから選手を〝獲られた〟球団に指名権が移っていき、12球団が一巡するシステムに定まる見通しだ。

例えば阪神からA、B選手が提出された結果、A選手には5球団の入札、つまり買い手があったとする。これが12球団で最多入札数だとすれば、阪神には真っ先に指名権が与えられる。そして、阪神が広島のC選手を指名すると、次の指名権は広島に移り、広島が日本ハムのD選手を指名すると次は日本ハム…という順番だ。すでに指名の終わった球団の選手が指名された場合はリスタートとなる。未指名の球団の中で入札数の多い球団から指名が再開される。人気のない選手を「現役ドラフト」に提出すれば、結果的に指名順位が下がる。他球団の魅力的な選手を獲得するのは難しくなる。事前に他球団がどんな選手を提出するのか…という調査も重要だろう。

ここ数年、水面下で話し合われていた「現役ドラフト」導入への反対意見として出ていたのが「そんなドラフトを行っても、各球団の戦力外通告選手レベルの交換にしかならない」という声だった。しかし、人気の高い選手をドラフトに提出すれば、指名順位が上がる。他球団の〝掘り出し物〟を獲れるチャンスのパーセンテージが増す。『将来性のない選手同士の交換にしかならない』という批判を覆すシステムになる。

「現役ドラフト」に提出される選手側だが、「球団が勝手に名簿を出した」という不満や批判は出ないだろう。なぜなら、このドラフトの実施を強く求めたのは日本プロ野球選手会だ。逆に、在籍しているチームでの将来性を悲観し、球団側に対して「現役ドラフトに名前を記載してほしい」と希望する選手が増えてくる…とさえ見ている。贔屓(ひいき)のチームのあの選手が別のユニホームを着るなんて…と思うのか、いやいや本人のためには良かった…と思えるのか。解決できない最後の問題点はファンの胸の内なのかもしれない。

(特別記者)

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