日本映画界で相次ぐ「性加害」の告発などを受け、映画監督有志の会が22日、日本映画製作者連盟(映連)にハラスメント防止のための対策を講じるよう13日に要望したことを明らかにした。ハラスメントは「職務上の優越的な関係の悪用を許す環境を放置してきた映画業界全体の責任」として、改善を訴えている。
会のメンバーは是枝裕和、諏訪敦彦、岨手由貴子、西川美和、深田晃司、舩橋淳の6監督。うち4人が13日に映連を訪れ、ハラスメントの実態調査や防止のための具体策、第三者機関による相談窓口の設置などを盛り込んだ提言書を提出した。
防止策として、互いを尊重し合うための研修制度「リスペクトトレーニング」や、性的シーンの撮影で製作側と俳優の仲介役を果たす「インティマシーコーディネーター」と呼ばれるスタッフの導入を提案。深田監督は「事態はかなり深刻。映画業界を支えているフリーランスの方が相談できる機関や受け皿がない。スピード感をもって動くことが大切」と訴えた。
映画界を巡っては週刊誌が3月、榊英雄監督が複数の女性俳優らに性行為を強要したとする記事を掲載。4月には園子温監督が作品出演を条件に俳優らに性的関係を迫った疑惑が報じられるなど被害の訴えが相次いでいる。両監督は謝罪をした上で、報道の一部を否定している。
有志の会は榊監督の報道を受け、3月18日に監督の立場を利用した暴力の撲滅を訴える声明を発表。これまでに500件を超える賛同の声が寄せられているという。