(セ・リーグ、DeNA7-5阪神=六回途中降雨コールド、5回戦、DeNA4勝1敗、21日、横浜)歓喜のウオーターシャワーになるはずが、まさかの涙雨に…。代打で逆転満塁弾を放った阪神・小野寺は悔しさをにじませながら、この日一番のハイライトを振り返った。
「監督、コーチ、選手みんなが勝ちたいと思って毎試合、挑んでいる。その中で何もできていなかったことが悔しかった。チャンスで回ってきたんで、結果を残そうと思いました」
試合前の時点で6打数無安打、打率0割の男が大仕事をやってのけた。
1-3の四回。1死走者なしから四死球と安打で塁が埋まり、先発・斎藤の代打で打席へ向かった。2球で2ストライクと追い込まれたが、「うまく反応できました」と真ん中付近の直球を振り抜いた。打球を左翼席まで運び一時逆転に成功。伏兵の今季1号となるグランドスラムにベンチもこの時ばかりはお祭りムードに包まれた。
代打満塁弾は「初めてですね」と小野寺。2021年9月30日の広島戦(甲子園)以来、自身203日ぶりのアーチは空砲となったが、〝直電〟のゲキには応えた。19日に1軍へ再昇格を果たす際、自宅で視線を向けたスマートフォンの画面に平田2軍監督の名前が浮かんでいた。