主張

池袋事故3年 高齢者運転対策の充実を

産経ニュース

東京・池袋の乗用車暴走事故で母子が死亡した悲惨な事故から3年がたった。妻と、かわいい盛りの3歳の娘を奪われた松永拓也さんは「3年たっても苦しく、悲しい。この苦しみを力に変えて交通事故を一つでも減らす活動をしていきたい」と語った。

乗用車を暴走させた90歳の男は、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で禁錮5年の判決を言い渡されて実刑が確定し、高齢者対応の施設に収容されているとされる。

交通事故を少しでも減らすための一つの方策は、重大事故が繰り返される高齢者の運転対策である。悲しいかな人は、加齢とともに判断や動作の速度が落ちる。一定の年齢に達したら、自ら免許証を返納することが望ましい。

自分は大丈夫―という過信は禁物である。

池袋の事故が起きた平成31年(令和元年)、その衝撃から65歳以上の免許自主返納件数は過去最多の約58万件を数えた。衝撃は時とともに薄れ、一昨年、昨年と返納は次第に減少している。運転が生活に欠かせないとしてハンドルを手放せない高齢者も多い。

これらの問題に対応するため、池袋の事故をきっかけに改正された道路交通法が5月13日に施行される。75歳以上の高齢運転者で免許更新通知が届いた時点から過去3年間に、信号無視や速度超過など11種類のうち一つでも違反をしていた場合は運転技能検査(実車試験)が義務付けられる。

免許更新期限の半年前から繰り返し受検することが可能だが、不合格時は更新できない。認知機能検査や講習と組み合わせて事故を未然に防ぐことが目的だ。

自動ブレーキなど先進安全機能を備えた「安全運転サポート車(サポカー)」を条件とする限定免許も運用が始まる。サポカー限定免許は本人の申請で取得することができる。高齢者だけではなく、運転に不安がある人にも新たな選択肢となる。

これらは、高齢運転者による悲惨な事故から歩行者らを守るとともに、ドライバー自身の安全を守るための措置でもある。

松永さんは「事故が起きるときは一瞬なのに、一生引きずる。どうか交通安全を心掛けてほしい」と訴えている。悲惨な事故を減らすには法整備とともに、個人の自覚こそが重要である。

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