北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場で19日未明に発生した火災で、市場北側の店舗周辺の燃え方が最も激しいことが21日、捜査関係者への取材で分かった。この店舗が火元とみられ、福岡県警と市消防局は周辺の防犯カメラを調べるなどして出火原因の特定を急いでいる。
市場関係者や捜査関係者によると、火元とみられる店舗はバーや居酒屋といった飲食店が集まる「新旦過横丁」にある。出火直後、付近の店の関係者や住人が通報した。木造の建物が密集し、周囲に一気に燃え広がったとみられる。
市消防局によると、火災は約65時間後の21日午後7時半ごろ、鎮火した。けが人はなかった。
店舗近くで飲食店を営む80代女性は「隣の店の人がドアをたたいて火事が起きたことを教えてくれた。気付かなければ煙に巻かれるところだった」と振り返った。
市消防局によると、火災は19日午前2時40分ごろ発生。約1600平方メートルを焼き、市場は広範囲にわたり焼失した。同日午前7時50分ごろ、延焼の恐れはなくなったが、焼け崩れたトタン屋根が放水を妨げ、消火活動は難航した。