ベテラン記者コラム(282)

川内優輝「本物と偽物が出てきた」〝そっくりさん〟登場で大混乱

サンスポ
M高史(左)と握手する川内優輝(2013年5月4日撮影)
M高史(左)と握手する川内優輝(2013年5月4日撮影)

2018年に日本勢として瀬古利彦以来31年ぶりのボストン・マラソン優勝を果たした川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が18日、今年で126回目を迎える伝統の大会に出場する。一昨年は新型コロナウイルスの影響で中止。秋に延期された昨年は故障で出場を見送っていた。

9位に終わった2月の大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会は2時間8分49秒で、対象2レースの平均タイムで条件を満たし、24年パリ五輪の代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得した。3月に35歳を迎えたが、座右の銘「現状打破」を常に体現しようとしている。

フルマラソンを2時間20分以内で完走したレースは100回を超え、ギネス世界記録にも認定された文字通り〝百戦錬磨〟の男が困惑したレースがある。ゲストランナーとして出場した13年5月の春日部大凧マラソンだ。〝そっくりさん〟のものまね芸人、M高史が10キロの部に一般参加したため、本人と勘違いするファンが続出。レース後は大混乱に陥った。

「本物と偽物が出てきた。芸人さんも生き残るのに必死だと思う。なんとも言えない」

当時の勤務先だった埼玉・春日部高があり、普段以上に顔が割れている土地で起きた騒動に、最強市民ランナーも動揺を隠せなかった。強豪駒大陸上部出身の〝影武者〟は、顔はまさにうりふたつ。レプリカユニホームの文字を『埼玉県庁』ではなく、『埼王県庁』と記すなど、ものまねぶりは徹底していた。

その存在を公認するのか? その答えは「県の人事課が考えること」と公務員らしい堅物な返事だった。一般男子10キロの部を34分46秒で駆け抜けたM高史は、ユニホームの『埼王県庁』のロゴを大会関係者に注意されると、「文字の並びを変えたり、モザイクをかけて対応したい」と平謝り。歌手、平井堅のものまねもこなす芸人ランナーは「もっと有名になったら(ショーに)ご招待したい」と本家ばりの低姿勢を貫いた。

M高史は駒大時代に陸上部でマネジャーを務め自身も各地の大会に出場してきた。悪ふざけではなかったが周囲を巻き込んだ反響は大きく後日、謝罪会見を開く事態に発展。埼玉県庁にも電話で謝罪したという。

「M」はものまねとマラソンの頭文字に由来する。川内がマラソン日本代表だった13年8月のモスクワ世界選手権前には富士山で祈願ランを敢行。午前5時に静岡県側の須走口をスタートし、同11時に山頂へ到着すると、富士浅間神社で「必勝祈願 世界陸上 川内優輝」と書いた絵馬を奉納していた。応援する気持ちと尊敬の念は変わらず、その思いは噓偽りなく〝本物〟だった。(江坂勇始)

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