北、近づく核実験 米韓演習控え高まる緊張

産経ニュース
「太陽節」を迎え、故金日成主席(左)と故金正日総書記の銅像が立つ万寿台創作社に献花に訪れた市民ら=15日、平壌(共同)
「太陽節」を迎え、故金日成主席(左)と故金正日総書記の銅像が立つ万寿台創作社に献花に訪れた市民ら=15日、平壌(共同)

【ソウル=時吉達也】北朝鮮が、金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日(15日)を盛大に祝った翌日に、核ミサイル開発をさらに進展させた事態が明らかになった。北朝鮮メディアは16日のミサイル発射実験を通じ、小型化された「戦術核兵器」の意義を強調。専門家は「核弾頭の小型化に必要な核実験が近づいていることを示している」と指摘する。米韓合同演習が開始される18日以降、朝鮮半島の緊張がさらに高まるのは必至だ。

韓国軍は16日に探知した北朝鮮による飛翔(ひしょう)体発射について、即時には発表せず、北朝鮮メディアが17日朝に報道した後、公表した。今回の飛行距離が約110キロで、射程が400~600キロの「KN23」など従来の短距離弾道ミサイルに比べても小型だったことが影響したとみられる。軍関係者は「初期に探知した性能は公開する水準ではないと判断した。追加分析が必要だった」と説明する。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は昨年1月、国防力強化に向けた5カ年計画で、核兵器の「小型・軽量化、戦術兵器化」をさらに発展させると宣言。核弾頭を小型化すれば今回のような短距離ミサイルへの搭載が可能になるほか、多弾頭の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成も近づく。韓国・世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)北朝鮮研究センター長は「戦術核弾頭の開発に向けた核実験を行う必要性が一層高まっている」と指摘する。

韓国政府傘下の研究機関は、核実験実施に向けた準備が進む北東部の豊渓里(プンゲリ)の核実験場「3番坑道」について、他の坑道に比べ起爆室が地表に近いと指摘。近く実施される核実験は、爆発規模が比較的小さい「戦術核」の開発用になるとの見方を示している。

一方、北朝鮮の対外宣伝サイト「わが民族同士」は17日、米韓演習について「わが国への先制攻撃を目的とした核戦争演習だ。偶発的な軍事衝突が全面戦争に拡大しないという保証はない」と非難した。演習実施を理由に韓国との通信回線を遮断するなど、北朝鮮は過去にも強い反発を示しており、対抗措置を名目とした新たな核ミサイル挑発も想定される。

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