ロシアの名門バレエ団で、外国籍ダンサーがウクライナ侵攻に抗議し相次ぎ退団を表明。侵攻は芸術にも影響を及ぼし、バレエ王国が揺れている。
そんなロシア・バレエの300年にわたる歴史を時系列でたどったのが本書。ロシアがいかにしてバレエ王国の地位を築いたかを、その転機となった振付家たちの作品から読み解いている。
著者は舞踊史家・評論家。長年の研究を基に、19世紀に「白鳥の湖」など古典の傑作を手掛けたプティパやモダン・バレエの旗手、エイフマンらを取り上げた。ロシア革命がもたらした変化にも触れている。(東洋書店新社・2860円)