マスターズ最終日最終組のスコッティ・シェフラーとキャメロン・スミス。スミスの1、2番連続バーディーで、3打差のリードでスタートしたシェフラーは、あっという間に1打差に追い詰められた。
3番は距離の短いパー4。ドライバーで打つとグリーン近くまで届くのだが、ここからの第2打は砲台グリーンへの打ち上げになる。しかも、ピン位置は手前エッジに近い。奥行きもそれほど幅はない。
最終組の両選手ともドライバーショットの後の第2打でグリーンをわずかにショートさせ、ボールは転がり戻ってしまった。ピンまで20ヤード。この場合、高く上げて手前エッジを越えたところに落とすか、手前斜面にボールをぶつけてクッションを利用して寄せるかの方法しかない。
シェフラーは後者の方法を選択した。低く、強く打ち出されたボールは、砲台の斜面に当たり、勢いをそがれながら駆け上っていった。そして、そのままピンにガチャンと当たってカップインした。1打差に追い詰められた状況で起死回生のチップイン・バーディーとなったのだった。
キャメロンは高いボールを打つ方法を選択した。少しでもショートさせると、もう一度打ったあたりまで戻ってきてしまう。そのリスクを避けて、オーバー目に乗せ、2パットのボギー。両者の差は、スタート時点に戻った。