誰でも「コーヒーの木」のオーナーに 本州初の「国産コーヒー」一般消費者も募集開始

SankeiBiz

自分の手で豆から育てたコーヒーを味わう─。そんな贅沢(ぜいたく)な楽しみ方を、日本にいながらにして体験できるかもしれない。本州初となる国産コーヒー豆の初収穫に成功した岡山市の農業法人「やまこうファーム」が今月末、一般消費者が国産コーヒーの苗木を購入できる「オーナー制度」を開始する。同社はコーヒー農園の開設を目指す企業や団体などを対象に苗木を販売してきたが、コーヒーファンである一般の消費者にも「自分の木をもつ」という楽しみ方を提案することで、国産コーヒーの普及・拡大につなげたい考えだ。

12年に及ぶ研究で、本州初となるコーヒー豆の収穫に成功したやまこうファーム(やまこうファーム提供)
12年に及ぶ研究で、本州初となるコーヒー豆の収穫に成功したやまこうファーム(やまこうファーム提供)


完全無農薬なコーヒーを届けたい

バナナやパパイヤなど、日本での栽培が難しいといわれている熱帯植物の栽培を手掛けるやまこうファーム。コーヒーの総消費量が世界で上位に入る日本が、豆の99%を海外からの輸入に頼っている状況をビジネスチャンスと捉え、12年前に東京農業大学と共同で国産コーヒー豆の研究を開始した。

同社が扱う豆は希少価値の高いアラビカ種ティピカという品種。同社代表の山本耕祐さんは「生命力も強いので簡単に実が付くものと思っていたが、はじめはちっとも実がつかず、苗もひょろひょろとして弱々しい苗ばかり。失敗、失敗の連続だった」と振り返る。

代表の山本耕祐さん(やまこうファーム提供)

幾度もあきらめかけたが、豆そのものの品種改良に加え、育成環境を作り出すために適温を維持し、直射日光を避ける温室ハウスを設置するなど工夫を重ねた結果、2020年にようやく自信を持って販売できる品質のコーヒー豆を収穫することができた。

同社のコーヒー豆の最大の特徴は完全無農薬だ。山本さんによると、海外から輸入する豆の多くは栽培時だけでなく、長時間の搬送時にも農薬による燻蒸処理が施されている。

これに対し、一切農薬に晒(さら)されていない国産豆は、山本さんいわく、「雑味のない苦み」が楽しめる。「コーヒーは体に良いといわれているが、農薬がたくさん使われている時点で矛盾しているのでは」との疑問もあったという。手間がかかる分、国産コーヒーの価格は100グラムで5000円~1万円と高級だが「農薬が入っていないコーヒーを飲みたいという人の元へ届けたい」と意欲を示す。

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