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矢野監督の進退は風雲急、助っ人補強12億円の大誤算 植村徹也

産経ニュース
中日にサヨナラ負けを許し、14敗目となった阪神の矢野監督
中日にサヨナラ負けを許し、14敗目となった阪神の矢野監督

約12億3000万円の投資が全く生かされていない-。プロ野球史上最低の勝率・067(13日現在)の舞台裏には悲しいほどの誤算がある。これは阪神球団の大失態と指摘されても弁解の余地はないだろう。

今季限りでの退任を表明している矢野燿大(あきひろ)監督(53)率いる阪神が最悪の事態に陥った。13日の中日戦(バンテリン)も延長十回裏、今季2度目のサヨナラ負けを喫して5連敗(1分け挟む)。悪夢の開幕9連敗の後、5日のDeNA戦(甲子園球場)で今季初勝利を飾ったものの、そこから黒星街道が続き、借金は13に…。1勝14敗1分けの勝率・067は16試合消化時点ではNPB(日本プロ野球機構)史上最低だ。

しかも、13日には伊藤将司投手(25)と藤浪晋太郎投手(28)、江越大賀外野手(29)の新型コロナウイルス陽性判定も判明。濃厚接触者の疑いがある山本泰寛内野手(28)と馬場皐輔投手(26)も感染拡大防止特例で1軍登録を外れた。まさに泣きっ面に蜂…とはこのことで、大幅な戦力低下を招いた。

シーズン開幕前は「今季こそ優勝を」と意気込んでいた。昨季は12球団最多の77勝をマークしながら、ヤクルトに勝率5厘差で及ばず涙をのんだ。就任4年目を迎えた矢野監督が春季キャンプ前日の全体ミーティングで「俺の中で今シーズン限りで退任しようと思っている」と衝撃の退任表明を行ったのも、自らの退路を断って、選手に奮起を促し、有終の美を飾りたかったからだ。それが、ここまでは完全に裏目だ。

いくつもある誤算の中でも特筆すべき計算違いは約12億3000万円の戦力経費が全く機能しないことだろう。今季の阪神はチェン・ウェイン投手、ジョー・ガンケル投手、ラウル・アルカンタラ投手に加え、新外国人のカイル・ケラー投手、アーロン・ウィルカーソン投手の5投手とジェフリー・マルテ内野手、メル・ロハス・ジュニア外野手の野手2選手の外国人7人体制で臨んでいる。昨季の外国人8人体制よりも人数は減ったが、外国人選手7人の年俸総額は約12億3000万円。今季の阪神の日本人選手の年俸総額は約17億円なので、外国人選手にかける比率は12球団の中でも突出している。

ところが、開幕16試合目の1軍ベンチメンバーにいた外国人選手はアルカンタラとガンケル、ロハス・ジュニアの3人だけ。昨季42セーブを記録し、オフに退団(大リーグ・パドレス移籍)したスアレスの代わりのストッパーと期待したケラーは出れば打たれる繰り返しで2軍落ち。ウィルカーソンは2軍調整中。チェンは左肩痛からの再起を目指して2軍で奮投中⁉ 昨季、22本塁打、77打点を記録したマルテも右足コンディション不良で1軍登録を外れ、今はリハビリ組だ。

どこにも体調には問題はないロハス・ジュニアは12試合に出場して、打率1割2分5厘、1本塁打、2打点の不成績。首脳陣も実力に疑問符を付けているのだろう、スタメン起用はほとんどない。

結局、チーム年俸総額の約30億円のうち、約4割の12億円をかけた助っ人勢が戦力になっていない。スアレスの代役と期待したケラーの適性は誰が判断し、2年前に年俸2億円以上の2年契約を結んだチェン、アルカンタラ、ロハス・ジュニアは誰が取ってきて、どうして超破格の契約になったのか、聞かせてもらいたいものだ。球団フロントの外国人担当者は今ごろ、さぞかし責任を痛感しているだろう。しかし、もう取り返しはつかない。

きょう15日からは本拠地・甲子園球場での巨人3連戦だ。風雲急を告げる状況で、矢野燿大監督の進退は…。その時、球団フロントは何を思い、指揮官の背中を見つめるのだろうか…。

(特別記者)

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