インパクトは無限大 明かされる万博キャラ誕生秘話

産経ニュース

「このキャラクターに定まった形はありません。赤い細胞と清き水が合体し、反応しあい、さまざまな姿に変化します。想像する力がある限り、変化の可能性は無限大です」

昨年11月、大阪・関西万博の公式キャラクターデザインに応募した作品が、今年3月22日の最終選考会で最優秀作品に選ばれました。報道で知ったという懐かしい友人や尊敬する恩師からの祝福の連絡が、受賞したことを実感させてくれています。

現在、東京に住む私は、小学5年生から29歳までを神戸で暮らしました。私は1971年に生まれましたが、1970年の前回大阪万博で建築の仕事に関わった叔父から、幼い頃に万博の話を聞いたことをよく覚えています。

大阪芸術大に通っていたこともあって、「大阪・関西」「万博」という思い入れのある言葉が並ぶイベントにとても興味がありました。また、新型コロナウイルス禍で静まり返っていた生活に、楽しみを見いだしたかったことも応募したきっかけです。

審査観点の一つは、ロゴマークのデザインやコンセプトとの親和性や協調性。「こういうロゴマークがあるのか!」。初めて万博の公式ロゴマークを見たときの鮮烈なインパクトを思い出しながら、ロゴマークの生き生きとした印象を活用してスケッチしてみると、いくつものキャラクターが紙の上に現れました。それらが、応募の際、同時に提出している変身バリエーションです。大阪・関西万博のキーワード「多様性」を具現化しています。

2025年。多くの手段で情報を入手できる社会であっても、自ら万博会場を訪れ、世界中の人々が万博に懸けた思いを体感することが貴重な経験になると思います。そして、大阪・関西万博は、誰にとっても明るく楽しい場所となってほしいと願っています。

「絵を描いたら友達ができた」。小学生だった私が、絵を描きだした理由です。好きなことを続けたことで、関西を離れてから約20年たった今、多くの経験とともに育ててくれた街と、再び万博を通じてつながれたことを大変うれしく感じています。

この作品はまだ器の状態だと思っています。赤い細胞と清き水が、一人一人の頭の中で、自由に変化していくことを楽しみにしています。(公式キャラクターをデザインしたマウンテンマウンテンの代表 山下浩平)

やました・こうへい 1971年生まれ。大阪芸術大美術学科卒。グラフィックデザインを軸にキャラクターなどさまざまなデザイン制作を行う。絵本も多数。日本グラフィックデザイン協会会員。

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