関西オープンゴルフ選手権第1日(14日、兵庫・よみうりCC=7180ヤード、パー71)今季初めてシード選手として臨む阿久津未来也(みきや、27)=六甲国際GC=が9バーディー、1ボギーの63で回り、単独首位。ツアー初優勝へ最高のスタートを切った。1打差の2位にアマチュアの蝉川泰果(たいが、22)=東北福祉大4年=ら5人。石川遼(30)=CASIO=は68で32位、その弟でプロデビュー戦となった石川航(わたる、22)=フリー=は81で147位発進となった。
チャンスをことごとく沈めた。プロ6年目で悲願の初優勝へ、最高のスタート。阿久津が初めての首位発進を決めた。
「パター(パット)が入ればビッグスコアになる。100点に近いゴルフだったと思います」
会心の笑みを浮かべた。前夜の雨でグリーンが軟らかくなり、好スコアが続出した中でも飛び抜けた63は、2019年「日本プロ」で記録した64を更新するツアー自己最少ストローク。9バーディーも自己最多だ。
パット数はこの日2位タイの24。昨季は平均パット数1・777でランク42位だった男が手応えを得たのは、2週前の今季国内初戦「東建ホームメイトカップ」の練習日だった。日大時代の同級生、金智宇(キム・ジウ)から「何を悩んでるの?」とアドバイスをもらった。変えたのは❶アドレス=内に向いていた左足のつま先を、やや外側に向けた。❷左肘=伸ばしていた左肘を曲げ、左腕で引っ張るような打ち方にチェンジ。❸素振り=カップを見ながらすることで「(ラインの)イメージを描けるようになった」という。
「去年はパターで優勝に絡めなかった」と言いながら5位以内に2度入り、賞金ランキング27位で初のシードを獲得した。作新学院高2年時の2011年に「フジサンケイクラシック」で予選通過を果たすなど、若い頃から結果を出してきた。本来は得意と自負するパットが決まれば、頂点も見えてくる。
「今年は優勝を目標に、しっかりやっていく」
飛躍を予感させる滑り出しだ。(大石豊佳)
■阿久津 未来也(あくつ・みきや) 1995(平成7)年3月17日生まれ、27歳。栃木県出身。3歳でゴルフをはじめ、作新学院高1年時の2010年「フジサンケイジュニア」優勝。翌11年「フジサンケイクラシック」でツアー初出場し、23位でローアマに輝いた。日大に進み16年「日本学生選手権」優勝、同年プロ転向。昨季(20-21年統合)賞金ランキング27位(約3450万円)で初シード獲得。180センチ、72キロ。得意クラブはパター。