宮城、福島両県で最大震度6強を観測した地震被害により、福島-仙台間で続いていた運休が解消し、東北新幹線が14日、約1カ月ぶりに全線で運転を再開した。仙台駅でも利用客から安堵(あんど)の声が相次いだ。
この日朝、仙台駅の新幹線ホームでは、JR東日本の社員十数人が「大変お待たせいたしました 東北新幹線全線開通」と書かれた横断幕や小旗を持ち、東京行きの始発列車などを見送った。
福島市の特別支援学校に通勤し、運休中は在来線などを利用していたという仙台市青葉区の教員、石井忠一さん(62)は「開通してもらって助かる。新幹線だと通勤時間が半分に短縮される」と歓迎した。
仙台市宮城野区の会社員、佐藤正己さん(58)も運休中は在来線を使って宮城県白石市の会社に通勤。「開通はありがたい。鉄道関係者のがんばりに感謝する。新幹線は生活の足として、ないと困る」とほっとした表情を浮かべた。
一方、東京方面からの新幹線の利用客が、次々と仙台駅の改札口を出た。
仙台市内での仕事のため、大宮から乗車した千葉県野田市の会社員、柳沢広人さん(59)は「新幹線が開通していなかったら、大宮から夜行バスで5時間以上かけて来ることになっただろう。開通してよかった」と話した。
上野から乗車した東京都足立区の会社員、藤田大作さん(47)は「これから山形県鶴岡市まで会社の車で向かうが、開通していなかった場合を考えると、新幹線のありがたみを感じる」と語った。(石崎慶一)