ロシアのウクライナ侵攻から1カ月が経過した。首都キーウ(キエフ)に知人が住んでいるが「キーウを離れない。住むことが抵抗だ」と言っている。極限の選択に胸が締め付けられる。プーチン大統領の侵攻の正当化や情報統制などは、かつての世界大戦と何も変わっていない。連日信じられない大量虐殺の報道も続く。世界はこの2年、コロナウイルスから命を守るために戦ってきたのではないか。命を奪う戦争に絶対反対だ。先日、京都・東寺で瞑想(めいそう)した際も、平和について考え続けた。
私は参院議員時代に外交防衛委員長を務めた。ロシアが拒否権を有している以上、国連はまったく機能しない。米のバイデン大統領をはじめ、NATO(北大西洋条約機構)は第三次世界大戦を避けるため、ウクライナとともに直接は戦わない。
この現状を日本も台湾有事に置き換える時期に来ている。尖閣諸島に軍事進攻があった場合、ウクライナのように、アメリカが日本のために戦わないことも想定すべきだ。ハト派と称される岸田文雄首相だが、早急に具体的なシミュレーションを行う必要がある。憲法改正に反対し続ける野党にも有事の際の具体策を求めたい。
ロシアに対しては、徹底した経済制裁しかない。現在、ロシアはSWIFT(国際銀行間通信取引)からの締め出しや、1日2兆円以上といわれる戦費で、金利が急上昇し、インフレが加速している。ロシア経済は早晩持たくなるだろう。国民の不満がたまり、プーチン大統領を失脚に追い込むことが一番よい方法だ。