大阪・京セラドームで野球観戦することになった。だが、そのためだけに大阪まで出向くのは、さすがにもったいない。東京を早朝に出発して、電車を下りたら歩き始めることができる山は近くにあるかしら。ガイドブックをめくっていて「そうだ、生駒山を歩いてみよう」と思い立った。
奈良県と大阪府の境にそびえる生駒山。山上まで道路が通じ、山頂へはケーブルカーを利用して向かうこともできる。一方で、中腹には大阪府民の森が整備され、ハイキングコースがいくつもある。大半のハイキングコースは難所もなく気軽に歩ける…らしい。
今回は近鉄奈良線の枚岡駅から摂河泉(せっかせん)展望コースで山頂を目指すことにした。駅からすぐの枚岡(ひらおか)神社でお参りをし、コンクリート舗装の急坂が続く奈良街道を歩いて枚岡公園へ。折しも、桜広場の桜が満開で、桜の花越しに大阪の町並みを眺めることができた。幸先がいい。
額田山展望台で改めて大阪市街の展望を満喫し、尾根道を進む。常緑樹多め、雰囲気のよい森で、ときどき木々の間から町並みが眺められる。同じ低山でも、いつも歩いている関東近郊の山とは樹相がだいぶ違うなあと思いながら歩く。
最後のひと登りで、いきなり紅白の電波塔に出迎えられ、さらに進むと生駒山上遊園地へ。春休みで子供連れの家族たちで賑わっていた。静かな樹林歩きからいきなり大混雑の遊園地、落差が大き過ぎてニヤニヤしてしまう。山頂の山名看板は見つけられなかったが、三角点はSLの線路の中にあった。