「今でも本当に…、明菜さんの『難破船』は忘れられないんです」。
3年前の2019年10月5日。「ミュージック・モア」(TOKYOMX)にゲスト出演した歌手の加藤登紀子は、中森明菜に提供した「難破船」=写真=についての秘話を語っていた。
「難破船」は1987年9月30日に発売された通算19枚目のシングルだった。この曲はもともと加藤のアルバム「最後のダンスパーティ」(84年)に収録されたもの。つまり明菜のシングルはカバー曲だったのだ。
「ミュージック・モア」は冒頭で加藤の足跡や作品などを紹介。その後、MCのクリス松村から、「難破船」について経緯を聞かれた加藤は、開口一番「実は、私の二十歳(ハタチ)のときの恋の破局を歌ったものでした」と作品について吐露した。
続けて、当時を振り返り、「明菜さんが22歳の誕生日をお祝いしてもらっている様子をテレビで見たんです。その時の不機嫌な明菜さんの雰囲気が…。おめでとうって言われているのに、ありがとうって言わなくって。22歳の何がおめでたいんですか? というような言い返し方をしていたんです。その迫力が…」。
「失恋した後は何がおめでたいの? みたいな。風を切って歩いていくような(様子を)私も一番カッコ良かったと思っているんです、その頃は…。それが明菜さんに感じられて…」