女優でピアニストの松下奈緒(37)が、3年ぶりの新作アルバム「FUN」を13日に出す。5月からは、全国5都市を回るコンサートツアーも始める。
新作は「もうちょっと早く出したかった」が、コロナ禍の影響で遅れた。でも、「こんなときに出すのだから、楽しい内容にしよう」。だから、「FUN(楽しい)」と名付けた。
全9曲。うち7曲が出演するテレビ番組のテーマ曲やCMソング。女優とピアニスト。両輪が、うまく回っている。
「どちらかが欠けてもだめ。両方をやりたいから頑張れる。大変じゃない。むしろ、こうでないと物足りない。物足りない自分が一番いや」
残る2曲は、書き下ろしの「FUN!」、そして、オッフェンバックの「天国と地獄」。運動会のBGMでもおなじみの曲だ。
コンサートで有名曲を演奏するコーナーをもうけたら好評だった。アルバムにもよく知られる既存曲を入れてみよう。迷った末に、「クラシックで皆さんが知ってる曲を楽しく面白く弾くことは、私にしかできない」と「天国と地獄」を選んだ。
一方、幸いなことにコンサートは、コロナ禍の中でも毎年、コンスタントに続けている。
声援を送ってはいけないなどコロナ禍の中のコンサートは規制も多いが、ステージに立ってたくさんのことに改めて気がついた。
「声を出せない分、お客さまからの拍手がすごく温かい。形は変わったけれど、気持ちのありがたさがより伝わります」と語り、「アルバムを出したら生演奏で聴いていただくことが、一番うれしい。コンサートこそは、演奏家の最終的な表現の場です。楽しいことを思いっきり楽しんでいいんだということを伝えられたらうれしい」。
ツアーは、5月14日のかつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホール(東京)を皮切りに、7月まで5都市を回る6公演。5公演のチケットは販売中。7月10日の大阪は6月5日発売。(石井健)