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アジア系航空会社に勤める富田沙織さん。国内LCCを含む乗務歴は8年。写真は、カナダ・バンクーバーで開催された画家ゴッホの展覧会会場にて。提供:本人
SankeiBiz読者のみなさんにだけ客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第127回はアジア系航空会社乗務8年目の富田沙織がお送りいたします。
航空会社間でのCA転職は当たり前
私は現在、国際線の客室乗務員(CA)として働いていますが、新卒時はメーカーで事務職を2年、その後日系エアラインで5年、国内線の客室乗務員として乗務した経験があります。私のように、客室乗務員という仕事はそのままに、別の航空会社に転職する人は珍しくありません。今回は、私が転職をした経緯についてお話したいと思います。
なぜLCCだったのか 一般事務の仕事からCAへ
大学卒業後は、就職氷河期と言われるなかで何とか入社したメーカー企業で購買の仕事をしていました。事務作業がほとんどでしたが、取引先との値段や納期の交渉を直接することも多く、人とのコミュニケーションに面白さを感じました。
そんな経験から、「接客をメインにした仕事に就きたい」と考え、幼い頃からの夢でもあった客室乗務員への転職を決めたのです。
当時、客室乗務員の募集をしていたのは、運賃を抑えて運航するLCC(格安航空会社)。「大手エアラインのような華々しい世界は私には合っていないし、サービスもシンプルで難しくなさそう」という理由で受験を決め、入社することにしました。
なぜ国際線やフルサービスキャリアを夢見るようになったか
▼LCCから見える大手エアラインの景色
私が所属していたLCCの客室乗務員は100~150人ほど。CA同士、顔見知りで仲が良く、オフィスに出社すると必ず誰かと楽しくお喋りしました。飛行機に乗り込むと優しいキャプテンが差し入れをくれたりして、和気あいあいとフライトを楽しんでいました。
そんな中でもやはり羨ましく見えるのが隣に駐機する大手エアラインの飛行機。実際に飛行機の大きさも違いますし、華々しく見えました。あの飛行機の中ではどんなサービスをしているのだろう。私が行った事のない国へ飛び立っていく飛行機が輝いて見えました。
先輩や同期、後輩たちの中には外資系や大手など、他の航空会社に転職していく人も多くいました。どんどん羽ばたいていくその姿に、「私も思い切って新しい世界に挑戦してみようかな」という思いが生まれてきました。
▼マニュアルにとらわれないサービスを提供する先輩
LCCのサービスはシンプルでしたが、すぐに飽きがきてしまいました。そんな時、マニュアルには載っていないような、販売品を手に持って機内をまわったり、ドリンクをポットでサービスするなど、サービス訓練では教わらなかったサービスの仕方をする先輩に刺激を受けました。