乗客106人が死亡し、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故から25日で17年となるのを前に、事故の負傷者や家族らが兵庫県尼崎市の事故現場周辺の沿線を歩く「メモリアルウオーク」が10日、開かれた。追悼と安全への願いを胸に約30人の参加者が歩いた。
メモリアルウオークは、事故の負傷者と家族らでつくる「空色の会」が平成22年から実施している。一昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により、中止。昨年は会メンバーのみによる開催だったが、今年は3年ぶりに、同県宝塚市職員やJR西日本社員などの一般の参加者とともに歩いた。
JR塚口駅近くの公園から尼崎駅近くの公園まで約2・8キロ。途中、事故現場の慰霊施設「祈りの杜(もり)」に立ち寄り、白いカーネーションを手向け、祈りをささげた。
次女が重傷を負った三井ハルコさん(66)は「風化が加速していると年々感じている。この事故が起きたことは消せない。今でも様々なことを抱えながら生きている人がいる。その事実を引き寄せて、自分のことのように感じてもらえれば」と話した。