タイガー・ウッズ(米国)がマスターズで悪夢の自動車事故からよみがえった。「これだけ長い間競技から離れていたのに…。アンダーパーで回れて本当に気分のいいプレーだった」。2年前の11月に開催されたこの大会以来となるツアー復帰戦で1アンダーの71。ウッズ自身、勝負をかけていたラウンドだった。最終日に着用する赤の勝負服に近い色のシャツを身にまとった。
1番ティーグラウンドに現れると、「パトロン」と呼ばれる観客が大いに沸いた。5番までパーでしのぎ、6番(パー3)で第1打をピン60センチにつけるスーパーショット。13番(パー5)では勢いあるショットで第2打を7メートルに乗せた。16番(パー3)は9メートルのフックラインを沈めて3つ目のバーディーを奪い、力強いガッツポーズも見せた。最終18番で2メートルのパーパットを沈めると、右手を大きく突き上げた。グリーン上で芝を読む姿勢は痛む脚をかばうため、中腰だった。それでも、正確なパットを打ち続けた。
「このコースのピンの攻め方は知っている。正しいところにショットを打てた」とウッズ。朝のウォーミングアップでは「ショットはひどかった」そうだが、マスターズ5勝の自信がスコアにつながる。
「(右)脚は予想通りに痛いが、たくさんの氷でしっかり冷やして回復に努める。まだまだ戦いはこれからだ」。10位で満足するウッズではない。