中国が、日本周辺で軍事活動を活発化させている。防衛省統合幕僚監部は7日、中国のY9電子戦機が同日午前から午後にかけて、沖縄県の石垣島や宮古島から南方の太平洋上を飛行したのを確認したと発表した。ロシアによるウクライナ侵攻が長期化するなか、ロシアに近い中国の電子戦機が飛来した理由は何か。
Y9電子戦機は、台湾の方向から東へ進んだ後に反転し、西向きに移動した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)し、継続的に監視を行った。対領空侵犯措置において、同機が確認されたのは初めて。
どんな性能なのか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「相手のさまざまな電波情報を収集し、どのような活動を行っているのかモニター・解析できる。またジャミングといって電波を妨害することもできる。単独で飛行することもよくある機体」と説明する。
Y9には哨戒機や情報収集機などがあり、過去には東シナ海や台湾周辺でも確認されている。
今回の狙いについて、世良氏は「4月から航空自衛隊が与那国島に移動式警戒管制レーダーの部隊を正式配置している。その情報を主に収集するために飛行したのではないか。1度の飛行で台湾・日本の情報を効率的に収集もできる。今後頻繁に飛行する可能性も十分ある」と指摘した。