ゼロ炭素エネ移行必要 日本の対策急務 IPCC報告書

産経ニュース

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の新たな報告書が4日公表され、地球温暖化防止の実現に向けた多様な対策が示された。化石燃料発電で排出される二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス(GHG)削減対策の必要性やエネルギー消費側の行動変容による削減効果を指摘。GHG排出量の削減と短期的な経済成長の達成のために各国政府による政策パッケージが重要と訴えており、日本政府にも真摯(しんし)な対応が求められる。

今回の報告書の内容は昨年10月までの文献を解析したものだ。

エネルギー部門では、化石燃料での発電で追加的な削減対策を行わない場合への警鐘を鳴らし、日本政府などが石炭火力での対策として打ち出しているCO2を分離・回収して貯留する技術「CCS」や、ゼロ炭素エネルギー源への移行と効率化などで排出削減を速やかに行うよう提言した。

産業部門についても「低およびゼロGHG排出」の電力や燃焼時にCO2を出さない水素などの燃料、炭素管理を用いた新たな生産プロセスの導入で、CO2排出量を実質ゼロにすることは可能としている。

消費者など需要側の行動変容では、食生活、移動手段や住宅環境、消費者向け製品の在り方などを変えることでGHG排出量を2050年までに「40~70%削減し得る」とした。

日本国内の排出量削減をめぐる議論はエネルギー供給側の話が大半を占め、需要側の対策は大きく取り上げられてこなかった。政府の地球温暖化対策計画で家庭部門などの排出削減目標は科学的根拠に基づく積み上げとは言い難く、実効性も疑問視されるありさまだ。

報告書は、政府による新たな技術革新を生み出す政策パッケージが「低排出な将来への移行をよりよく支援する」と分析。ロシアによるウクライナ侵攻で、エネルギー安全保障が揺らぐ中だからこそ、日本政府にはこうした投資に力を入れることが求められている。(日野稚子)

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