(パ・リーグ、日本ハム-ロッテ、1回戦、5日、札幌D)疑問を呈されていた采配の意図を明かした。日本ハム・新庄監督がロッテ戦前に、3日のオリックス戦(京セラ)での〝一幕〟について説明した。
場面は2―2の八回。2番手・北山に代えてセットアッパーの宮西をマウンドへ送り、1死三塁で紅林を迎えたところだった。
紅林に対しカウント3―1となったところで、BIGBOSSは申告敬遠を申し出た。次打者が昨季首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得している、強打者・吉田正だっただけに、マウンド上の宮西は眉間にしわを寄せる厳しい表情…。結果として、の吉田正が放ったゴロをこの回から二塁に入った水野が捕球しきれず、中堅へ抜ける決勝2点打。宮西は負け投手となった。
プロ入りから14年連続で50試合以上登板を果たし、現役最多の374ホールドを積み上げてきた中継ぎエースに対するこの采配に、苦言を呈する声も少なくなかったが…。BIGBOSSの根拠は、こうだった。
「あのカウントになった時に、俺のイメージでは紅林くんが内角を打ってポテンヒットになるのが嫌だった。そこで歩いてもらった。吉田くんは申告敬遠されたことがない。その前(の打席)とかゴロが多かった。宮西くんの球の切れなら、ショートゴロかセカンドゴロになると思った」
吉田正をゴロに打ち取り、本塁でまずアウトを1つとる。そして2死一、三塁から次打者の杉本を抑え、無失点…、というのが指揮官の描いた理想形だった。結果として打ち取った打球だっただけに「(八回に)セカンドとショートを変えても良かった。石井くんと水野くんを。その辺は俺のミス」と反省も口をついた。
宮西には降板後に直接、「あれは野手がカバーしてあげないといけないプレー。俺の思った通りに打たせてくれて、素晴らしい投球をしてくれて、ありがとう」と伝えたという。データ、〝勘ピューター〟、選手個々の調子―。判断のひとつひとつが勝敗を左右する。あらゆるものを頭に入れ、勝つための最善策を模索し続ける。