底抜けのドラゴンスマイルが輝いた。「ドラゴン」藤波辰爾(68)が古巣・新日本プロレスの50周年記念大会(3月1日、東京・日本武道館)、3・27大阪城ホール大会に連続参戦。棚橋弘至、オカダ・カズチカと世代を超えた夢のトリオを結成したばかりか、8人タッグマッチで棚橋、オカダらと対戦。ドラゴン殺法を仕掛けるなど「生涯現役」を実証してみせた。
加えて全日本プロレスの50周年記念大会(3月21日、東京・大田区総合体育館)にも、息子のLEONAらとともに乗り込み、全日本の半世紀を祝福している。3月はまさに「ドラゴン月間」だった。
新日本、全日本の両老舗団体を席巻した藤波は、アントニオ猪木に憧れ日本プロレスに押しかけ入門。1972年には猪木が設立した新日本の旗揚げメンバーに加わった。その後、ジュニアヘビー級ブームを巻き起こし、ヘビー級転向後も長州力との名勝負数え唄で一世を風靡(ふうび)した。
3・21決戦では全日本のテレビ解説も務め、王道の歴史や試合を絶賛したが、かつての激しい興行戦争、引き抜き合戦の渦中にあったとあって「昔の両団体のピリピリモードが気持ちの中に残っている」と、いささか複雑な表情も浮かべた。