心を持ってしまったロボットと人の交流を描いた物語。AI(人工知能)が人類全体の知能を超える「シンギュラリティー」に至った近未来の日本が舞台だ。
家庭教師や地雷除去など多目的の人型ロボット「ピノ」シリーズは、深刻な脆弱(ぜいじゃく)性(情報セキュリティー上の欠陥)が指摘され、処分が決まる。その中に、認知症の女性を介護するピノがいた。機能停止までの10日間、この女性との間に特別な絆を育んでいく。
人気作『星守る犬』を手掛けた漫画家の新刊。ピノのけなげさと、ディストピア的な世界で助け合い生きる人々の姿に涙腺が緩む。(村上たかし著、双葉社・1210円)