東日本大震災の津波や火災で甚大な被害に見舞われた宮城県石巻市で3日、震災遺構として整備された旧門脇小学校の一般公開が始まった。ランドセルや焼け落ちた机などが当時のまま残され、来場者は学芸員から解説を聞きながら熱心に見入っていた。
当時、学校にいた児童や教職員は避難して無事だったが、下校した児童や周辺住民らが犠牲になった。市は平成28年、同校を震災遺構として保存することを決定。旧校舎は幅が約107メートルあったが、震災の爪痕を「見たくない」と感じる住民に対する配慮や、維持管理にかかる費用を抑えるため、中央部の約65メートルが保存されることになった。
一般公開に訪れた宮城県登米市の看護師、浜田久美子さん(66)は「燃え残った子供のいすや机が印象深かった。もう二度とこんなことは起きてほしくない」と話していた。(桐原正道)