群馬県の山本一太知事は31日の定例会見で、新型コロナウイルスの新規感染者数が増加したことなどを踏まえ、「5月の大型連休前に第7波が来る可能性がある」としてリバウンド(再拡大)に警戒すべきだと呼び掛けた。観光需要喚起策「愛郷ぐんまプロジェクト」は感染対策を講じながら予定通り1日から開始し、当面は社会経済活動との両立を進める構えだ。
県によると、直近1週間平均の1日当たり新規感染者数は、前週比で32・9人増の564・0人(3月30日時点)となった。
全国的にも、37都道府県で新規感染者数が前週から増加し、厚生労働省に助言する専門家組織が再拡大の危険性を指摘。蔓延(まんえん)防止等重点措置の解除や感染力が強いオミクロン株派生型「BA・2」への置き換わりが背景にあるとみられる。
山本知事は、こうしたことから「連休前には第7波に見舞われる可能性がある。急拡大が起きてもおかしくない」と危機感をあらわにした。
ただ、県が重視する医療提供体制は、病床稼働率が逼迫(ひっぱく)の目安とされる50%を下回る35・3%(同)に改善している。県は引き続き確保病床の上積みを進める方針だ。
県は1~28日にかけ対象エリアを茨城、埼玉、千葉、新潟、山梨5県に拡大して愛郷ぐんまを実施する。県内17市町村も地域で使えるクーポン券を発行する。山本知事は「感染再拡大により事業を続けられなくなる可能性はゼロではないが、対策を徹底して実施したい」と述べた。
一方、ロシアによる侵攻が続くウクライナからの避難民への人道支援では、県と桐生市が連携して一時金支給や生活物資を提供する。また、1日から、ふるさと納税の仕組みを使って広く寄付を募る。