S&P500に連動するETFとVTI、QQQの3つ
たぱぞうさん
S&P500に連動するETFとQQQはいずれも日本円で買えますから、あえて米ドルで買う必要はありません。正直言いますと、S&P500に連動するETFとVTI、QQQの3つがあれば、ほったらかしておくだけでも投資は成り立ってしまうのではないかと思っています。
あとは、これを入り口に個別株などに広げていくような形にしていくのが良いのではないでしょうか。個別株も面白いですね。グーグル(Google)の持ち株会社であるアルファベット(Alphabet)のビジネスモデルが好きですね。アルファベット会長のジョン・ヘネシー氏は、スタンフォード大学の学長を務めたこともあるんですが、やっぱりスタンフォード由来のアカデミックな雰囲気があって、ラボみたいな実験的なビジネスを始めて形にしています。
ウェブページや動画にアドセンスという形で広告を貼り付けてインターネットのコンテンツを充実させていくという考え方と姿勢も独特ですね。これからも、思いもつかなかったようなビジネスというものを発想したり、実現していったりする企業の一つかなと見ています。
桶井さん
日本株では「オリックス」に注目しています。業績が好調です。第3四半期の決算を見て、また、IR担当に電話してお話をお伺いもしまして、2022年3月期決算は相当良いものが出ると期待しています。長期目線でも期待できる事業があります。大阪・夢洲でのIR(統合型リゾート施設)計画、カジノですね。あとは、再生可能エネルギーにも力を入れています。ともに国策です。
長年、株価が上がらない銘柄でしたが、去年から株価成長しています。これまで増配基調できました。昨年度はコロナ禍で業績が悪化しましたが、それでも配当性向を上げることで増配しています。カタログ優待も人気です。株主還元に熱心な企業といえます。
それと三菱商事です。商社株は資源高の恩恵を受けることが期待でき、直近の第3四半期も好決算でした。中期経営戦略2018と2021で累進配当を宣言しています。最低でも前年同様の配当を出し、業績成長に合わせて増配しているというもので、コロナ禍でも増配を維持しました。累進配当政策が、2022年度から始まる新・中期経営戦略に引き継がれるかが焦点となっています。リスク要因として、ロシアのカントリーリスクを頭に入れておく必要はあります。
たぱぞうさん
日本企業の置かれている環境の厳しさ、それはすごく懸念はしています。バブル期に日本企業の株価が高かったのは、何らかのイノベーションがあったからではなく、株と不動産だったんですよね。だから銀行が非常に強く、銀行を中心とした財閥関係の企業群が世界の時価総額ランキングに入りました。
それと比べて米国もいつか覇権が揺らぐのではないかというロジックで語られる方もいらっしゃいますけど、アメリカのハイテク企業の時価総額押し上げに貢献しているのは、IoTやAI(人工知能)、ビッグデータを使うことによって起こるイノベーション「第4次産業革命」に伴う期待です。だから株とか不動産ではねてマーケットに還流されていたバブル期の日本企業の株高とは根本的に要因が違うんですよね。
ただ、だからといって相場が好調な時に流行った、ハイテク株で構成されるNASDAQの値動きに対しだいたい2倍~3倍程度になることを目指す「レバレッジNASDAQ」という投資信託を投資のコアとして選ぶのは人を選ぶかなとみています。
購入時にタイムラグが生じる投信で、なおかつ今のようにボラティリティ(価格変動率)が高めの金利上昇局面では。この投資信託を持っている人で、高いレバレッジをかけて数億円や数十億円のポジションをとっている人はいません。多くは何十万円とか何百万円です。ヘッジを効かせながらも、リスクを取らなければ人生何も変わらないという心理は理解できますし、私も個別株ではリスクを選好しました。ただ、オススメという立場だと言葉を選ばざるを得ないですね。
桶井さん
ええ。リスクとリターンは表裏一体なので、それを理解した上で、ということですかね。私は、レバレッジNASDAQ100はとても手出しできません。今、1億円以上の資産を持っていますので安全に投資したいです。どんくさいので(笑)。