時刻に対する意識が不足か
同社関係者は「大元のシステムの時計がズレている以上、普段から全駅で早発していた可能性がある。乗務員が所有する腕時計も私物だった」と証言。鉄道ライターで都市交通史研究家の枝久保達也氏は「鉄道にとって時刻は基本中の基本であるため、乗務員が持つ時計は毎回時刻を調整する。正確な時計の貸与がなく、長らく時刻のズレに気づかないというのは、時刻に対する意識が不足しているからではないか」と問題視している。
つくばエクスプレスをめぐっては今年3月中旬、埼玉県内の駅で電車が定刻より16秒早く発車する早発を同社がホームページで謝罪。乗客が普段目にする時刻表は分単位のため、SNSでは「気づく人いないでしょ」などと話題になった。2017年11月にも20秒の早発で利用者に陳謝。日本の鉄道が時間に正確なことを印象付ける出来事として海外メディアに相次いで報道され、遅延が常態化している米国では「これは問題なのか」と好意的に取り上げられている。
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同社広報課は「発車メロディーの鳴動が数日間最大5秒早まった可能性が高いものの、システムの調査では電車の運行に(定刻より早く出発する)早発が生じたかは判明しなかった」としている。