山梨県は29日、大規模水害時の、市町村を超えた広域避難に向けた新しい避難指示発令の基準を取り決めた。これまでの降水量の実績による避難指示発令に加え、国、県、市町村で構成される検討会が、降水量の予報をもとにして、早い段階での避難指示につなげる。令和4年度から運用を始める。
追加された基準では県、甲府河川国道事務所、甲府地方気象台、全市町村が参加する共同検討会で、気象情報、河川情報などを共有し、広域避難の実施の是非などを判断する。具体的には、2日間の積算流域平均雨量が250ミリを超えた場合は、高齢者等避難の発令、1日間の流域平均雨量実績と24時間雨量予測の合計が300ミリ以上となった場合には、危険地域にいる人全員の避難指示というように、市町村長が発令するように促す。
これまでの避難指示は、降水量実績や河川の危険水位に達した段階で発令していたが、広範囲の大規模水害が増えていることから、新しい基準では降水予想も加えることで、早期の避難判断をできるようにする。
県では現時点では笛吹川、釜無川を含めた富士川水系流域が大規模浸水対象エリアとしている。