岸信夫防衛相は29日の記者会見で、ロシアから侵攻を受けたウクライナの首都キエフの名称について、防衛省の作成資料ではウクライナ語の発音に基づく「キーウ」と併記する方針を明らかにした。
防衛省は28日に自民党安全保障調査会の会合で配布したウクライナ侵攻の状況について説明した資料の中で「キーウ(キエフ)」と表記していた。
岸氏は会見で「主要メディアでウクライナ語の発音に基づいた『キーウ』との表記も用いられるようになってきている」と指摘。防衛省の資料については「国民の皆さんに向けた情報発信との位置付けを踏まえつつ、『キーウおよびキエフ』と併記した」と説明した。
一方、外務省の在外公館の公称では「キエフ」が維持されており、岸氏は「『キエフ』を消したわけではなく併記している。公称を変更する考えは現時点ではない」とも述べた。
首都キエフの名称をめぐっては欧米メディアを中心にロシア語に由来する「キエフ」ではなく、ウクライナ語に由来する「キーウ」を使用する動きが広がっている。