「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記

阪神、悪夢の開幕3連敗‥打開策なければ「無間地獄」に

産経ニュース
ヤクルトに3連敗、スタンドのファンにあいさつする阪神・矢野監督=京セラドーム
ヤクルトに3連敗、スタンドのファンにあいさつする阪神・矢野監督=京セラドーム

ようこそ地獄へ…となる前に矢野燿大監督(53)の修正能力が問われます。投手陣では勝ちパターンの確立、打撃陣では4番・佐藤輝明内野手(23)の背後をどう強化するのか-。山積の課題を早急に解消しないと待っているのは〝無間地獄〟。悪夢の開幕カード3連敗からの逆襲が成るか否かは矢野監督ら首脳陣の選手起用、采配に握られています。あれは球団創設初の日本一に輝いた1985年(昭和60年)の2年後の1987年、吉田義男監督率いる阪神はV奪回を目標にスタートしましたが、開幕から敗走し借金42(41勝83敗6分け)の最下位。後に天国の後の地獄と評されました。歯車が完全に狂う前に指揮官はあらゆる手を打たなければなりません。

全国の虎ファンが怒りと失望

まさか、まさかの開幕3連敗なのか…。それともホレ、見たことか!の3連敗なのか…。兎にも角にも矢野阪神は最悪のスタートを切ってしまいました。

開幕戦は藤浪の好投、打線もつながり七回終了時点で8対3のリード。ところが、斎藤、岩崎、カイル・ケラーらリリーフ陣が総崩れで大逆転負け。尾を引くように第2戦、第3戦は打撃陣が0行進。昨季のリーグ覇者で日本一にも輝いたヤクルトのチーム力が格段に充実した…と痛感させられるような3連敗を喫したのです。

こうなってくると、ネット裏の阪神OBら、関係者の口もとがってきます。耳に入ってきた話を少しだけ⁉披露すると…。

「すべては開幕戦。藤浪を七回で降ろしたのが最大の失敗。軸になる投手と期待し、あそこまでヤクルト打線を3失点でしのいだのだから、最低でも八回まで投げさせるべきだ。まだ勝ちパターンが確立されていない中で、見切り時が早すぎたんだ」

「どうして八回頭から斎藤なんだ。あそこは勝ちパターンを確立する意味でも岩崎だろう。相手を調子づかせた後で登板させたから岩崎もケラーも波にのまれたんだ。斎藤は第2戦以降ではビハインドの場面でもマウンドに行かせている。リリーフの役割分担ができていない証拠だ」

「打線は佐藤輝の後をどうするかだ。5番に糸原を開幕戦から起用しているが、長打力のない打者を佐藤輝の背後に置くと、佐藤輝に対する相手投手の配球が四球覚悟のボール攻めになる。現状では7番に下げた大山を5番にするか、体調を見極めながら糸井しかいないだろうに…」

「捕手の起用法も首をひねる。開幕戦と第3戦は梅野で第2戦は坂本。昨季は梅野を先発起用し続けたから前半戦の快進撃があったと思う。併用という言葉はあるが、捕手をコロコロ代えるのは賛成できない」

また、春季キャンプ前日の1月31日、全体ミーティングで「俺の中で今シーズン限りで退任しようと思っている」と衝撃の退任表明をした矢野監督の言動についても、当然ながら〝蒸し返し〟の批判が…。

「このまま負けが続いていくと、やはりホレ見たことか!となるんだ。監督がサッサと今季限りで辞める…と表明したから、チーム全体に反発力や攻撃的な姿勢がなくなった、とファンからは指摘されるぞ。あの発言を発奮材料にして勝った…というのは美談になるが、結果が悪ければ批判しか残らない」

実際に隣近所の阪神ファンのおばさんからは「どうせ、今年限りで辞めるんやから、もう辞めてほしいわ。なんやねん、あの試合は!」なんて声が寄せられました。阪神ファンは強烈ですから、まあ予想範囲内の現象ですかね。別の阪神ファンのおばちゃんからも「最近のスポーツ紙はおとなしいから、アンタ、矢野監督をボロカス書いてや」なんて声も…。そないに期待されても困りますがな。

修正ポイントは2つ

てなことで、やはり阪神開幕3連敗は関西地区だけではなく、全国の阪神ファンを怒りと失望の渦に巻き込んだのは確かです。ただし、まだシーズンは143試合中3試合しか消化していません。ここで断を下すのは早すぎるし、いくらでも巻き返すチャンスはあるはずです。しかし、たかが3試合ですが、その試合内容から「逆襲への修正点」を見つけ出し、それを選手起用や采配面に生かしていかなければならないでしょう。矢野監督ら首脳陣の手腕の見せどころです。

修正ポイント①

やはり開幕カードで見えたのは「スアレスの穴」の大きさです。開幕戦でも9回にスアレス登場なら、山田の同点ソロもサンタナの決勝2ランもなかったかも⁉ 究極のタラレバですが、阪神ファンの誰もが昨季、42セーブを記録した絶対的守護神の存在感を改めて実感したでしょう。しかし、今さらそれを言っても始まりません。要はチーム内外に知らしめる「2022年度版の勝ちパターン」を早急に構築しなければなりませんね。

現状では新外国人ケラーが抑えで、岩崎が八回…ですが、例えば第3戦先発で好投した桐敷をリリーフに回し、さらにアルカンタラやガンケルの抑えも再考してもいいのかも…。何しろ勝ちパターンで出てくる投手と、ビハインドで出てくる投手の区分け、固定が求められるでしょう。勝っていても、負けていても斎藤…では長丁場のペナントレースではリリーフ陣は崩壊しますよ。

修正ポイント②

開幕前から不安だった佐藤輝の背後が、やはりクローズアップされてきましたね。開幕戦こそ打線がつながり、8得点を挙げましたが、その後は2試合連続の0得点。4番佐藤輝の背後の5番には糸原が入っています。しぶとい打撃は評価しますが、長打力がない打者だけに、相手バッテリーからすれば佐藤輝には厳しいコースで攻めて四球覚悟→糸原で勝負-の傾向が早くも見えてきました。これからの戦いでも兆候は顕著となるはずです。

このコラムでも(「退任する矢野監督に最期のギフトを! 3億円新助っ人を獲れ!」=3月8日アップ)書きましたが、メル・ロハス・ジュニア外野手の打撃に迫力がなく、現状ではクリーンアップを打つのが厳しい中で、首脳陣の中で考えに考えた末に出した結論が「5番糸原」だったのでしょう。つまり、5番糸原は阪神2年目のロハス・ジュニアが当て外れだったからこその〝緊急避難〟です。それが、佐藤輝を孤立させつつあるのです。

ボール覚悟で内角をえぐってくる相手バッテリーに対して、佐藤輝も〝背後の不安〟から、焦ってバットを出してしまう。結果としてボール球を追いかける昨季の二の舞いが…。これは最悪です。現状では7番に下げた大山を5番に戻すとか、体調を見極めながら糸井を起用するとか。とにかく打開策が必要ですね。

戦前の目標値が高ければ高いほど、敗戦を繰り返していくとチームは目標を失い、〝無間地獄〟を漂流します。あれは21年ぶりのリーグ制覇、球団初の日本一に輝いた1985年の2年後、1987年のことでした。吉田監督率いる阪神はV奪回を旗印に船出しましたが、開幕から敗戦を繰り返し、結果的に借金42(41勝83敗6分け)で最下位に沈みました。その後の暗黒時代の幕開けでもあり、後に関係者らは「天国(日本一獲得)の後の地獄」と呼びました。

今季の阪神も「予祝」とやらで、春季キャンプ中には矢野監督の胴上げの予行演習まで行いましたね。目標は昨季、77勝しても届かなかったリーグ優勝です。なので、開幕からこのままコケ続けると、チーム全体が「ようこそ地獄へ」となりかねません。矢野監督ら首脳陣は英知を結集して、逆襲への修正能力を見せてほしいですね。まだまだ阪神は反発力があると信じています。なんだか、いきなり悲壮感漂いすぎですね。

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。

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