学校法人明浄学院をめぐる21億円の法人資金を着服したとして業務上横領罪に問われ、無罪が確定した東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍前社長(59)が29日、逮捕後に株式売却などを強いられ、損害を被ったとして、国に7億7千万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴状によると、山岸氏は大阪地検特捜部に逮捕されたことで自らが創業したプレ社の社長を辞任。金融機関からは資本関係の解消を求められた。結果的に保有するプレ社の株を安値で売却せざるを得なくなり、少なくとも約78億円の損害を受けたと主張、その一部の賠償を請求している。
また29日午後には、山岸氏が横領に関与したと認めるよう自らの元部下に迫り、取り調べで虚偽の供述をさせたとして、元部下の捜査を担当した検事2人を証人威迫などの罪で最高検に刑事告発する。
山岸氏は提訴後、大阪市内で記者会見を開き「(検察には)異常な取り調べを是正し、二度とこのようなことが起こらないようにしてほしい」と訴えた。