部下の頑張りに報いるのが難しいワケ 報奨金制度で失敗する4パターン

SankeiBiz

《今回の社長を目指す法則・方程式:ビクター・ブルーム「期待理論」》

「部下の動機付け」は上司の皆さんの関心事であり、日頃から色々と取り組まれていらっしゃることと思います。任せて、認めて、褒めて、評価するということですね。ただ、ちゃんとやっているのに、今ひとつしっくり来ない、部下に効いている気がしない…こんな「どうしてなんだろう?」という感覚を抱いたことがある方も、少なくないのではないでしょうか?

実は、これには理由があったのです。今回は部下の頑張りに報いることが難しい理由を、企業のインセンティブ制度の失敗パターンから読み解いていきたいと思います。

(Getty Images)※画像はイメージです
(Getty Images)※画像はイメージです

部下のやる気と努力を促すサイクル

そもそも部下たちは、どのようなときにやりがいを感じ、努力してくれるのでしょう?

「やったー、営業電話を頑張ったら、5件アポイントが取れた!」「今年は目標をハイ達成できてボーナスが去年の倍になった!」「プロジェクトを成功させることができたら、次のビッグプロジェクトの責任者に抜擢された!」

こんなときに部下たちは、達成感と充実を感じ、「次も頑張るぞ」と思うでしょう。

組織での人間行動の心理学的分析の第一人者として知られるビクター・ブルームは、人がやりがいを感じ努力するプロセス、メカニズムに着目し、「期待理論」を提唱しました。人は次のように感じることができるときに、モチベーションを感じて努力するのだと言います。

①努力すれば → 成果が上がる

②成果が上がれば → 報酬が増える

③報酬は → 自分にとって魅力的なものだ

この3つが揃ったときに、人はやる気が湧き「よし頑張ろう!」と思うのです。

「努力→成果」の過程で感じるのが<手応え感>、「成果→報酬」の過程で感じるのが<報われ感>、「報酬の獲得」で感じるのが<惹かれ感>とも言われます。この3つを提供できれば、当人のやる気が起き、努力してくれることをブルームの「期待理論」は示しています。

では、このサイクルをうまく回すためにはどうすればよいのでしょう?

まず、評価制度がしっかり設計されていること。そして、それが適切に運用されていることが求められます。どれだけ頑張れば、どのような評価を得ることができるのか。どんな成果を積み上げれば、どのように昇進できるのか。それらが設計されていることが重要です。

他方、上司に対する信頼が高ければ、特に「報われ感」についてはとても高まることが分かっています。皆さんの会社では、いかがでしょうか?

意外なインセンティブの「落とし穴」

これを具体的にするのに、最も使われるのが「インセンティブ」です。広い意味でのインセンティブによって、人の行動は変わります。業績評価の項目と結果のフィードバック、昇給や表彰の機会、昇進の機会、そして最もよく使われるのが報奨金でしょう。

上司や会社としては、部下の達成意欲を高めるために、年度の目標やその時々の重点テーマに対してキャンペーンを張って、インセンティブ(=報奨一時金)を出したりします。これを読んでいるあなたの会社にも、こうした制度はあるのではないでしょうか。

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