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オセアニアにある航空会社で日本人CAとして働く松岡やいさん。ダンサーの経歴を活かしたエクササイズ指導もおこなっている。提供:本人
SankeiBiz読者のみなさんにだけ客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第126回はオセアニア系航空会社乗務7年目の松岡やいがお送りいたします。
皆さま、こんにちは! オセアニア系航空会社で7年ほど客室乗務員をしております、ニュージーランド在住の松岡やいです。乗務を繰り返すうちに染みついた習慣や“職業病”ともいえる無意識の行動など「CAあるある」をいくつかご紹介したいと思います。
CAは気がつけば立って食べている
今から7年前、私がキャビンアテンダントのトレーニングを受けていた当時、すでにCA経験のあったクラスメイトに「これからは立って食事するのが普通になるよ」と言われました。その時は何でそんな事を言うのだろう? と思っていました。
ところが実際に機内で働き始めてから何年か経った頃、彼が言っていたことが現実になったのです。
機内でお客様への食事提供サービスを終えると、私たちクルーは、食べ物の調理や準備をするギャレーと呼ばれる場所で食事をします。しかし食事中もなかなか座ることができません。お客様のコールベル対応がありますし、ギャレーは狭いので立ったままでいることも多いのです。
▼「なんで立って食べているの? 座れば?」
ある日、家で食事していた時の事です。私以外の家族は食事が済んでいたので、私は簡単なものを1人で作って食べていました。すると夫に「なんで立って食べているの? 座れば?」と言われたのです! 気がつくと、私は当たり前のようにキッチンで立って食べていました。
「立って食べることが普通になる」
その時、トレーニング時に言われたこの言葉を思い出したのでした。家族と食事をする時はもちろん座ります。それでも、1人の時や急いでいる時は、気がつけば立ったまま。私にとっては立食も普通の事となってしまいました。慣れってすごいですね!
出勤前のCAの眠りは浅い
私たちのフライトスケジュールは本当に様々な時間に及ぶので、フライト前日は何度も、空港のゲート集合時間から逆算して起床時間に間違いがないか確認します。私ひとりでも遅れれば、何百人ものお客様に影響しますので絶対に遅刻はできないのです。
キャビンアテンダントになるための面接でも、トレーニングでも、「オンタイムパフォーマンス=定刻通りに運航する事」の大切さを教え込まれてきたのでいつも緊張感があります。
▼「まだ○時間ある…」「あと○時間…」
普段自分が起きる時間と同じ時刻なら心配はないのですが早朝に起きなくてはならないフライトの場合、夜中に何度も目が覚めて、「まだ○時間ある…」「あと○時間…」と携帯電話の時計を確認してしまいます。そうした行動は、心配性の私だけなのかな? と思っていたら、やはり周りのクルーたちも同様で、早朝のフライトの時は何度か起きるようです。
何十年と経験をもつベテランクルーでも前日はぐっすり眠れないと言っていたので、今となってはこれも仕事の一部だと思って割り切っています。
CAはフライトがリフレッシュになることも
私がこのCAの仕事を始めた時、娘は1歳半でした。フライトで2泊~3泊にわたり家に居ない事もあったので、周りのママ友達からは「大丈夫?」「さみしくない?」とよく聞かれました。
離れているあいだはもちろん、娘はどうしているかな? といつも気にはなりましたが、育児が得意な夫に任せていたので私は安心してフライトに集中できました。
▼「今日はゆっくり眠れるわ~」
実はフライトがリフレッシュになることもあります。子育てをしていると自分の時間がなくなりますが、フライトでのステイ先では誰にも邪魔されずぐっすり眠ることができるのです。この点は本当にありがたく思いました。ステイ先で気持ちをリセットできたおかげで、家に戻ってからも娘に対して優しく対応できたのだと思います。仕事とはいえ、子供と少し離れる時間がつくれたことで子育てにもいい影響が出ました。
私の娘は少し大きくなりました。いま、小さいお子さんがいる周りのママクルーが「今日はホテルでゆっくり眠れるわ~」と言っているのを聞いて、私も同じ気持ちだったことを懐かしく思います。