千葉県柏市の小学6年、渡辺祐輝君(12)が28日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地で活動する消防隊員への応援メッセージが書かれた日の丸の旗2枚を、福島県楢葉町の双葉地方広域市町村圏組合消防本部に届けた。柏から自転車で3日間かけ、家族らとともに約230キロを完走。「悪天候や坂の連続など大変だったが、無事に来られてよかった」と笑顔を浮かべた。
双葉消防では10台の消防車両が並ぶ中、約40人の隊員らが拍手で出迎えた。
将来の夢は消防士という渡辺君。原発事故という過酷な状況下で職務を続けた双葉消防隊員の奮闘を知り、平成30年から35都府県ほどの計400カ所以上の消防本部を巡り、メッセージを集めてきた。
渡辺君はこれまで家族の車で双葉消防に5枚の旗を届けたが、震災10年となった昨年「次は自分の足で届ける」と決意し、体力づくりに励んできた。今回の2枚はそれぞれ縦70センチ、横105センチで計約70消防本部の寄せ書きで埋まっている。